トリマーは人気のある職業のひとつですね!
最近ではガラス張りのショップも多く、わんちゃんを手際よくカットしていく様を見て「私もトリマーになりたい!」と思う子供たちも多いようです(^^)
そんな犬の美容師、トリマーになるにはどうすればいいのでしょうか?
元トリマーの管理人が、トリマーになるための方法をいくつかお教えします!
トリマーになるために必要なもの
人間の美容師になるには、国家資格が必要です。
しかも国家資格を受験するためには、専門学校に2年以上通う必要があります。
ではトリマーも同じでしょうか?
答えは【NO】。
トリマーになるために、特別な資格は必要ありません。
極端な話、全く犬を触ったことがない人でも「今日からトリマーになります!」といったところで何の問題もありません。
しかしこれではお客さんは来ませんよね。
全くの素人に大事な愛犬を任せられる人はいないと思います。
なので、ある程度技術がある人に対して発行される民間のトリマーの資格があります。
トリマーの資格は専門学校が独自で発行しているものや、民間企業が発行しているものまで、様々な種類があります。
中でも最も信頼があるとされているのがJKC(ジャパンケネルクラブ)が発行しているトリマーライセンスです!
ケネルクラブとは、犬種標準や品種の認定などを行っている国際的な愛犬団体で、JKCはその日本支部です。
血統書をお持ちの方は、隅にJKCのマークを見ることができますよ!
JKCが発行するトリマーライセンスにはC級、B級、A級、教士、師範の5段階があり、通常はC級から段階を踏んで取得していきます。
JKCトリマーライセンスを取得する方法
JKCのトリマーライセンスを取得するには、JKCが認定している専門学校で学ぶもしくは独学で学ぶ必要があります。
JKC認定の専門学校でトリミングや学科を学べば
- 一年目でC級
- 二年目でB級
- 四年目でA級
の資格を最短で取得することができます。
教士になるには、A級取得後五年以上経過している&満30歳以上であること。
師範になるには、さらに推薦も必要です。
教士や師範は認定校の教師やライセンス試験の審査員を務めるレベルなので、一般でとる人はあまりいません。というか、並大抵では合格しません(^^;)
A級ライセンスにしても、こちらはショードッグを仕上げる人が取るような資格なので、トリミング犬種を飼うことが必要不可欠です。
C級・B級の資格試験ではトイプードルをモデルに使用しますが、A級に関してはトリミング犬種であればトイプードル以外でも受験できますが、ショードッグ並みのクオリティが必要なので長期的なメンテナンスが必要です。
なので、普通にショップでのペットトリミングにだけ関わりたいと思うなら、B級を取得するのが最も一般的です。
トリマーの求人を見ても「JKCトリマーB級以上」と書かれていることが多いので、ほとんどの人がこのB級取得に向けて専門学校に通っています。
もしも独学で取得する場合、【満18歳以上でJKCの本会員歴2年以上】の条件を満たさないと、受験することができませんので注意してください。
さらに指定の専門学校では免除となっている学科の試験もあり、技術と知識を同時に習得していく必要があります。
試験ではトイプードルを指定のスタイルに仕上げる必要があるため、実際にトイプードルを飼うことも必要になるでしょう(ペットショップなどでこのスタイルをお願いされることは滅多にありません…)。
独学でのJKCライセンス取得は、環境が整っていないとなかなか難しいです。
トリマーになるための方法
では、具体的にトリマーになるための道筋をお話していきますね!
主な方法は
- 専門学校に通う
- 通信教育で学ぶ
- 弟子入りする
の3パターンあります。
専門学校に通う
おそらくほとんどの人が選ぶと思われるのが「専門学校に通う」ことだと思います。
トリマーになるための専門学校は数多く存在しますが、ことトリマー業界においては「卒業した学校による技術の差」が結構大きいです。
中には「専門学校で二年間何を学んできたの?」と思ってしまうくらいひどい人もいます…。嘘のようで本当の話、爪切りすらまともにできなかった人もいるのです。
それゆえ、何年も営業しているショップなどは学校の傾向が分かるため「この学校の人は採らないでおこう」としていることもあります。
そうならないためにも、学校選びは非常に重要です!
実際に見学をしてみた際、求人がどれくらいあるか等を見るのも有効ですが、最も確実なのが【JKC公認のトリマー養成機関】です。
その中でも指定機関、研修機関、協力機関があり、水準が最も高いのが「指定機関」です。
私もトリマー指定機関の専門学校出身ですが、教員が教士であったり、時には師範クラスの人の講義が聞けたり直接指導してもらえる機会があったりと、技術向上にはこれ以上ない環境でした!
また、養成機関ではJKCのトリマーライセンス試験の学科が免除され、学校内で実技の受験ができるなど、資格を取るためのサポートも充実しています!
私が通っていた学校では万が一落ちてしまっても特別に追試が受けられたので、B級までなら資格取得率も90%超です。
一般でのB級合格率が75%ほどだと言われているので、トリマーになるための一番の近道はやはり専門学校でしょう。
通信教育で学ぶ
すでに社会人として働いていたり、費用の関係などで専門学校に通うことが難しい場合、通信教育で学ぶこともできます。
ただし前述した通り、受験には満18歳以上でJKCの本会員歴2年以上である必要があります。
また、当たり前の話ですが、通信教育だけでは技術の向上はできません。
どれだけやり方を学んだところで、実際に犬を触らないことにはなんの意味もありません。
ボルトの走り方をいくら研究したところで、誰もが100mを9秒58で走ることはできないのです。
最近では専門学校が直轄して講師陣にサポートしてもらえるような質の高い通信講座もありますが、トイプードルを飼っているなど通信教育で学んだことをすぐに実践できるような環境がないと、実際にライセンスを取ることは難しいでしょう。
弟子入りする
通信教育とは逆に、実践しながら学んでいくのがこのタイプです。
中にはお給料をもらいながら、見習いとして働くというパターンもあります。
方法としては理想的に見えますが、一番の問題は「弟子を取ってくれるところが少ない」ことでしょう。
トリマー業界は多忙でありながら薄給であることでも有名です。
私も実際にペットショップで勤めていた時期がありますが、休憩もまともにとれない日があるなど、かなり時間に追われて仕事をこなす日々です。
どこのショップもこんな感じとは言いませんが、他の同級生の話を聞くと、だいたい似たようなもののようです…(^^;)
正直言って、誰かに教えている余裕はありません。
個人経営の小規模なサロンなどでは、まれに見習いとして受け付けてくれることもありますが、本当にレアパターンです。
最も弟子入りできる可能性があるのは、ショップやサロンではなく【ブリーダー】です。
ブリーダーは多くの犬を扱っていますが、そのすべてを自分で手入れしていることも多いです。
サロンのトリマーとは少し毛色が異なりますが、サロンでは経験できないような貴重な学びや体験も多いです。
中にはショードッグとして出陳している犬もいるので、トリマーの基本である「犬種標準」について目で見て学ぶこともできます。
もし弟子入りを希望するなら、ショードッグを抱えるブリーダーに弟子入りすることが一番です。
ただし、ブリーダーも大切なわが子同然の犬たちを、いきなりやってきた見ず知らずの人間に任すことはできません。
まずは何度もコンタクトを取り、信頼関係を築いてから、改めて弟子入りをお願いしましょう。
その際は、三年は掃除のみで犬に触れないくらいの覚悟が必要です。
まとめ
トリマーになるために絶対必要な資格はありませんが、就職するにあたって所持しておきたいのがJKC公認トリマーライセンスです。
取得するには、専門の養成機関(専門学校)に通うか、独学で学んで技術を磨く必要があります。
独学で学ぶには、通信教育と弟子入り(見習い)として働く方法があります。
どちらの方法も一長一短あるので、現実的にはやや難しい面もあります。
ライセンス取得にかかる期間も含めて、やはり一番の近道は「専門学校で学ぶこと」でしょう。
トリマーを目指すあなたに、この記事がお役にたてばうれしいです。