小型犬では7歳、大型犬では5歳からシニア期に突入すると言われています。
人間に換算すると、数え方はいくつかありますが小型犬の7歳は人間の40代後半相当になります。
人間の45歳はまだまだ元気なのでシニアなんて言うと怒られそうですが(笑)、わんちゃんにとってのシニア期の始まりは、若くて元気だったころと比べると様々な変化が起こり始める年齢でもあるのです。
見た目はあまり変わらなくても、内臓の機能など見えない部分の老化が、すでに始まっているんです!
なので、ほとんどのシニア用ドッグフードは「7歳から」と記載されています。
では実際に7歳になったらドッグフードは切り替えるべきなのでしょうか?
今回はそんな疑問にお答えするための根拠を調べてきました!
それに伴い、食事量や回数の変化についてもお話したいと思います。
目次
成犬用とシニア用のドッグフードはどこが違うの?
全年齢用のドッグフードもあれば、同じメーカーでも成犬用・シニア用と分かれているものもあります。
主な違いは
- エネルギー(カロリー)
- タンパク質
- 成分
ではそれぞれを解説していきますね!
必要エネルギーの変化
わんちゃんも年を取ると、だんだんと活動量が減ってきます。
その上胃腸の消化機能も衰え始め、代謝も落ちてくるものですから、カロリー消費が若いころと比べると少なくなっていきます。
そのため、成犬用の高カロリーな食事をそのまま続けていると、摂取カロリーはそのままなのに消費カロリーが減っているので肥満に繋がってしまうのです!
年齢とともに食事量が落ちてくることが多いですが、まだまだ元気にガツガツ食べちゃうわんちゃんは要注意!
「同じだけ食べて散歩してるのに、最近ちょっと太ってきちゃった」な~んて首をかしげる飼い主さんも少なくありません。
逆に食欲がなくなって悩んでしまう飼い主さんが増える時期でもあります。
ある程度食欲がなくなるのは自然なことなので、突然食べなくなった等でなければ、それほど心配しなくても大丈夫ですよ(^^)
もし痩せてきた場合は、より高タンパクな食事を取るようにしましょう。
高タンパク質・低脂質の食事
質の良いタンパク質を摂取することは、老犬になってもとても大切です。
成犬は人間の4倍以上ものタンパク質を取らなければいけないと言われており、近年ではシニア犬は成犬以上にタンパク質を必要としているとも言われています。
シニア犬は成犬と比べると運動量が落ちてきますので、低タンパク質の食事では筋肉量を保つことができません。
そのため足腰が弱くなり、ますます運動を嫌がるようになって筋肉が細くなる…なんていう悪循環にもなりかねません。
消化吸収しやすく質の良い動物性タンパク質が豊富に含まれているドッグフードを選んであげましょう。
また、シニア犬は成犬と比べると消化機能が落ちており、脂の消化が苦手だったり、お腹を壊しやすくなったりします。
なので、低脂質な食事をすることが必要になってきます。
ただし、脂質は犬にとって重要な栄養素でもありますので、少なければいいというものでもありません。
大事なのは必要な脂質を効率的に摂取すること!
中でも「必須脂肪酸」と呼ばれる脂質は、シニア犬の健康にとっても大切な栄養素です。
必須脂肪酸の内のひとつ、オメガ3脂肪酸にはDHAなどがあり、脳の健康維持にも良いと言われています。
DHAはお魚に豊富に含まれていることで有名ですが、オメガ3脂肪酸は酸化しやすいため、ドッグフードにしっかりと入れることはなかなか難しいようです。
最近では手軽に摂取できるサプリメントも色々発売されているので、そういったもので補うのも良いですね♪
シニア犬に必要な成分とは
上記に加え、ぜひシニア犬に摂取してほしいのが、グルコサミンやコンドロイチンといった、毎日の運動をサポートしてくれる成分です!
人間用のサプリメントとしても各メーカーが発売しているので、聞いたことがある方も多いと思います。
シニア犬になるとどうしても体力が落ち、睡眠時間が増えるにしたがって足腰が弱ってきます。
さらに高齢になってくると歩き方がよたよたしたり、散歩も行きたがらなくなることもありますので、早いうちから摂取していきたいですね(^^)
もちろんシニア犬にとっても毎日の適度な運動が最も大切なので、無理のない程度のお散歩が一番の栄養ですよ♪
サミー(SAMe)は老犬の救世主になるか?
これは個人的にちょっと思い出した余談的な話になります。
以前勤めていた動物病院で、新たにサミー(SAMe)という自然酵母の天然成分がわんちゃん用のサプリメントとして発売されました。
これはもともと肝機能障害に有効だとして処方していましたが、実は関節にも非常に効果的で、さらには認知症への効果も期待できるという、まさにシニアのための成分ともいえます。
なんと関節サポートの効果は、グルコサミンを超えるとも!
酵母型サミーが日本の厚生労働省で許可されたのは2008年なので、まだあまり有名ではありませんが、その有用性が広く認知されるようになれば、これからどんどん普及していくのではないでしょうか(^^)
当時はまだ発売して間もない頃だったため、患者さんに説明して納得の上処方していましたが、実際に肝機能だけでなく、動きも良くなったととっても好評でした!
ただあまりに有能すぎて「サプリメント」の域を超えてしまい目を付けられてしまったらしく、今後薬として扱われるようになれば薬価が上がるな…と当時話していましたので、現在は薬の扱いになっているかも。
まだ数は少ないですが、こういったサプリメントも市販されていたので参考に載せておきます↓
獣医さんで処方されるものもありますので、気になる方は動物病院で聞いてみてくださいね!
老犬になると食事量や回数は変わる?
シニアと一口に言っても、年齢によってその程度は様々です。
大まかに分けると
シニア期初期:
見た目や運動量、食事など目立った変化はありません。
しかし体の内側は変化が始まっていますので、この頃からしっかりケアすることが大切です。
シニア期中期:
白髪が増えたり、白内障や核硬化症(目の老化現象)で目が白く濁るなど、見た目にも変化が現れます。
睡眠時間が長くなったり、食欲が落ちてくることもあります。
ハイシニア期:
活動量が減ってほとんど寝て過ごすような時期。さらに食欲が減って、痩せてしまうので食事にも工夫が必要になってきます。
痴呆が始まったり、時に寝たきりで介護が必要になることも。
ステージによって適切な食事量や回数が変わってきますので、その時に合った食事をすることが大事です。
シニア期の初期~中期はまだまだ元気!で食欲旺盛なわんちゃんも多いです。
ですが消化吸収機能が衰えてきて、代謝も落ちてくることから、そのまま高カロリーの食事を続けることはNG!
とはいえ、量を減らしたりするとわんちゃんも満足できないので「低カロリーのドッグフードを規定量与える」と良いでしょう。
ハイシニア期になってくると、食欲がぐんと減ってくることが多く、そのまま低カロリー食を続けると痩せてしまいます。
なので今度は「消化吸収の良い高カロリーのドッグフード」を与えましょう!
パッケージに記載している規定量をしっかり食べることが理想ですが、なかなか食べきれないこともあるかもしれません。
量が食べれない時は回数を気にせず、ちょくちょく与えても構いません。
ただし、フードの置きっぱなしや作り置きは衛生上良くないので、面倒ですがその都度新しいフードを与えるようにしてください!
高齢犬は特に胃腸が弱いので、少しの油断が体調不良を招きます。
食欲のないわんちゃんはこちらの記事も参考にしてみてください↓
食事を食べない老犬の原因と対策は?シニア犬に人気のおすすめドッグフードも紹介!
まとめ
まだまだ可愛い子犬だと思っていたら、あっという間に訪れるシニア期。
見た目に変化はなくても、確実に体は衰え始めていますので、元気な老後を迎えるためにも今のうちにしっかり準備と心構えをしておきましょう!
- シニア犬用のドッグフードは小型犬7歳・大型犬5歳からが望ましい
- 食事量や回数は、愛犬の年齢や様子を見ながら都度調節していく
年齢を重ねるごとに様々な変化が起こりますが、何か不安に思うことがあれば、小さなことでも一人で悩まずに獣医さんや犬の専門家に相談してみましょう。
老化は誰にでも訪れる自然な変化です。
こうして愛犬のことを思ってこの記事を最後まで読んでくれたあなたなら、そんな愛犬の変化すらもきっと愛おしく思うことでしょう(^^)